公益社団法人熊谷青年会議所は20歳から40歳の熊谷地域に勤務している、または住んでいる人々からなる団体です。

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理事長所信

理事長所信

熊谷青年会議所 69代理事長 宮下良友

【 はじめに 】
 1952年、大きな志を掲げ、熊谷青年会議所を創立した先輩諸兄の想いに、今を生きる私たちは応えられているのでしょうか。戦災により荒廃した時代からの復興、そして時は流れ、令和という新たな時代の幕開けとなった今もなお、私たちはなぜ運動を続けているのでしょうか。多くのまちが抱える少子高齢化に伴う様々な問題、今後、熊谷市も人口減少が確実視されている中、時代は移り変わっても、熊谷青年会議所の創始の理念は間違いなく私たちの運動の根幹であり、68年もの歴史を紡いで来られた先輩諸兄姉の想いを胸に、私たちは「誰のため」、「何のため」に青年会議所運動を続けているのか、その答えを問い続けなくてはならないのです。
 今後直面する少子高齢化に伴う様々な問題に対し、熊谷青年会議所は2012年度より、2010年代運動指針として「 誇りある地域 熊谷 」の創造を目指し、さらに2017年度の創立65周年を機に「魅せる力」というビジョンを掲げ、熊谷の魅力に惹かれ、触れ、高める「定着人口・交流人口・参画人口」の増加を意識した運動を展開しています。2019年度には新たに「スポーツツーリズム」を基軸に、熊谷スポーツ文化公園の「魅せ方」を発信し、持続可能な「新たな文化」として「スポーツ観光都市 熊谷」の創造を提唱して参りました。これから私たちがまちから必要とされる運動を推進する組織であるために、新たな時代に適応し、これまでの慣例に捉われることなく、常に自らに疑問を投げかけ、問題の本質、意味や意義を見出さなければ、私たちの運動もただの自己満足に終わってしまうでしょう。組織として「誰のため」、「何のため」に存在しているのかを問い続け、メンバー一人ひとりが明確な信念を持ち、生き生きと活動する「力強い組織」を構築します。多様性の時代、これまで紡がれてきた組織としての歴史や伝統と向き合い、今、熊谷青年会議所だからこそ、やれること、やるべきこと、やらなくてはならないことがあるはずです。一過性ではない、まちから必要とされる運動を力強く推進して参ります。
 私は、人々が想像し、思い描く「みらい」は必ず実現することができると信じています。2020年度、このまちを愛する企業、教育機関、行政、諸団体とともに、これまで築き上げてきたパートナーシップを活かし、熊谷の魅力ある地域資産の価値を高め、一人でも多くの方々とともに、ワクワクするような「みらいのくまがや」を創造して参ります。


【 「みらいのくまがや」を創る 】
 なぜ私たちは2019年度、熊谷青年会議所にとって51年振りとなる、第67回関東地区大会の主管に挑んだのか。それは他地域からも人を惹きつける魅力ある地域資産を評価していただく絶好の機会であったからです。この機会を一過性のものにせず、「魅せる力」をもった運動展開をさらに加速させ、持続可能な運動に繋げることは今後の私たちの責務であります。2019年度はラグビーワールドカップの開催地の一つとして世界中から多くの人々が熊谷を訪れました。また今後も多くの交流人口が拡大していくことが見込まれ、熊谷にとって「スポーツ」が新たな地域資産となる様々な可能性を秘めています。2010年代運動指針を基に行ってきた運動の成果を検証し、2030年を見据えた持続可能な開発目標「SDGs」を通じ、産学官民のパートナーシップを模索しながら、ワクワクするような「みらいのくまがや」とはどんなまちなのか、問い続けて参ります。


【 まちから必要とされる「力強い組織」へ 】
 私たちの組織は、まちから必要とされているのでしょうか。熊谷青年会議所も会員数の減少が課題となっており、このままでは公益法人格の維持はおろか、組織としての存続も危ぶまれる事態になってしまうでしょう。これからも私たちの組織が持続するために、私たちの活動をもっと周知し、新たな仲間を増やしていかなければなりません。青年会議所では、メンバーにとって多種多様な成長の機会が用意されていますが、その成長は約束されているわけではありません。限られた時間の中でその機会を、勇気をもって自ら掴み、活かしてこそ、魅力ある個性に成長することができるのです。そのような多くの成長の機会を、このまちの青年経済人に伝えるとともに、地域内外の人々に時代に適応した「魅せる」広報を実践し、一人でも多くの方に私たちの組織の魅力と活動を知っていただき、共感していただきましょう。謙虚さを持ち、品格ある青年らしい言動、そして信念をもったメンバーが生き生きと活動し、まちから必要とされる「力強い組織」を構築して参ります。


【 豊かな自然への想いを守り続けるために 】
 「熊谷の自然」と聞き、どのような自然を思い浮かべるでしょうか。熊谷の豊かな自然を活かしたまちづくりは、「自然との共生」を目指し運動を推進して参りました。今、私たちが市内に点在する魅力ある自然がもたらす恩恵を気軽に感じることができるのは、その場所を守る人々の想いと地道な活動があるからこそでありますが、市民にとって、いまだ身近な自然への関心が低いのが事実です。「自然との共生」を実現させるためには、地域内外の一人でも多くの方々に熊谷の自然への関心を高め、その魅力を価値として感じていただく必要があるのです。企業、教育機関、行政、これまでに築き上げた諸団体の皆様との力強いパートナーシップにより、磨き上げられる豊かな自然のもつポテンシャルはまだまだ秘められているものがあるはずです。地域内外の人々の熊谷の豊かな自然への価値観を変革するべく、今ある環境を最大限に活用し、誰もが楽しめる、健康な心と体をはぐくむ体験を力強く構築して参ります。


【 地域とのパートナーシップではぐくむ子どもたちの「誇り」 】
 多様な学びの機会を選択できる現代の子どもたちに対し、私たちは今、何をなすべきでしょうか。このまちをこれからもずっと好きでいてもらうために、私たちだからこそできることは、「子どもたちのために」と、手を取り合う企業、教育機関、行政、諸団体との力強いパートナーシップにより、感受性豊かな子どもたちに熊谷の歴史や伝統、自然、産業といった地域資産を活かし、原体験となる地域での体験の機会を創出することであります。「このまちが好き」という愛着が芽生えるような原体験には、心に残るインパクトが必要です。これまで実施してきた地域資産の現地体験に、日常での「過ごし方」を変える、非日常の機会を掛け合わせ、地域資産の魅力を引き出し、まちへの愛着の種を植えていきます。さらに、地域の大人である私たちの責任として、子どもたちに対し、礼節を学び、徳操を養い、「みらい」のまちの担い手である子どもたちにメッセージを伝える寺子屋事業を構築して参ります。
 市内小学生全児童に対し、これまでに各世代間のコミュニケーションと、子どもたちの自発的な行動を促す地域新聞の発行を8年間継続して参りました。本質を見失うことなく、これまで積み重ねたノウハウを活かしながらも、慣例に捉われず、パートナーシップを活用し、地域に広く親しまれる情報媒体にすべく力強く発信して参ります。


【 持続的な地域活性化を目指して 】
 「日本一暑いまち」、その暑さを逆手に取った「日本一の暑さ対策」としての様々な取り組みは多くの注目を集め、近年は各店舗の特性を活かした体験を販売するプラットホームとして発展して参りました。今後は2019年度のラグビーワールドカップを経て、トップリーグチームの本拠地化など、新たなラグビー場を中心に地域外からも、さらに多くの人々が訪れることが予想されます。この機会を最大限活用し、地域活性化につなげるためには、熊谷市に訪れる、「スポーツ」を「する人」「観る人」に対し、いかにして熊谷の魅力に気付いてもらい、消費していただくかが重要であります。そのために、「スポーツ」を「支える人」の視点を重要視し、企業、教育機関、行政、諸団体とのパートナーシップを構築することにより、熊谷市を来訪した方々に、店舗や地域独自の魅力ある体験交流を中心とし、「地域一体となったおもてなし」を提供していただくことが必要です。「スポーツ」を「支える人」の「おもてなし」の輪が大きくなることで、「スポーツ」は私たちにとって地域資産となり、熊谷を訪れる方々を魅了する、持続的な地域活性化につながる運動を力強く構築して参ります。


【 「力強い組織」の要 】
 どんなに強いチームでも、支える人がいなければ勝ち続けることはできないでしょう。運動の柱となる議会、委員会が力強く運動を推進するためには、きめ細やかな総務、正確な財務は組織にとっての要であります。これからの新たな時代に適応し、コンプライアンスの強化や、慣例で行なってきたことも含め、組織運営の規則の明確化と徹底を図って参ります。2020年度も様々な成長の機会が提供されるからこそ、その機会の意味や意義を明確にし、メンバーが参加したくなるような情報を伝達します。一人でも多くのメンバーがその機会を活かし、メリットを最大限に享受しましょう。持続し続ける「力強い組織」を支えるために、力強い事務局を構築して参ります。


【 むすびに 】
 私はこれまで、青年会議所に様々な成長の機会をいただき、その中で感じたことがあります。己の弱さを知り、悩み、限界を感じたとき、そこにはいつも手を差し伸べてくれる仲間がいてくれたこと。仲間を信じ、頼る勇気と有難さを教えていただきました。そして、2019年度、組織として51年振りとなった関東地区大会の主管という大きな挑戦を達成した後のメンバーの笑顔を見て、私は確信しました。この組織なら、この仲間となら、どんなまちの課題にも力強く立ち向かっていける。そして私は信頼する仲間がいることで、恐れることなく立ち上がり、自らに、皆様に問い続けます。私たちはなぜ、このまちで運動を続けているのかと。「誰のため」、「何のため」に運動を続けているのかと。すべては、創始の想いを胸に、本質を変えることなく、新たな時代に適応し、まちから必要とされる運動を推し進めるために。私たち自身がその運動を行う意味や意義を見失わないために。私たちは常に問い続けるのです。

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