公益社団法人熊谷青年会議所は20歳から40歳の熊谷地域に勤務している、または住んでいる人々からなる団体です。

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理事長所信

理事長所信

熊谷青年会議所 67代理事長 長谷川隆一

【 はじめに 】
 生活サービスの縮小、行政サービス水準の低下、公共交通の撤退・縮小、空き家、空き店舗等の増加、地域コミュニティの機能低下。まだまだ実感の沸かない人口が減少することの影響。人口減少の問題は、この熊谷でも既に進行している身近な問題であります。逃れられない現実ではありますが、ここ熊谷には中心市街地を流れる星川をはじめとする水に恵まれた肥沃な土地と、人々を惹き付ける豊かな自然環境、人々が手を取り合い成し遂げた戦後復興をはじめとする様々な歴史と伝統、暑さを逆手にとりながら、熊谷の産業を魅力的に発信する地域活性化運動など、他に誇れる地域資産が数多に存在しております。恵まれた地域資産の可能性を信じ、他地域からをも人を惹き付けるほどに磨き上げ、人口減少という問題に漠然とした危機意識でなく先頭に立って立ち向かう。それこそが、今の熊谷青年会議所に課せられた責務であり、創立以来、「明るい豊かなまち」を創造すべく、青年経済人として地域の課題に対し先頭に立って挑んできた先輩諸兄が、長きにわたり守ってこられた創始の精神を受け継ぎ、運動に邁進する所存であります。
 人口が減少する事によって、地域の持続的な発展を下支えする物・事・人・金を地域間で奪い合う時代となり、高度成長期からバブル期にわたる「金太郎飴」型の地域開発は明らかに終焉を迎えたと言われております。このような変化の中で、競争相手、競合市場、さらに地域の強みや魅力に関する情報の収集と分析、共有、活用、発信が以前にも増して重要と認識されてきている昨今、この地域間競争を勝ち抜く為に必要なことは、この地域の強みや魅力となる地域資産と言う独自性を、常に他地域からの視点、客観視をしながら、磨き上げ、発信することではないでしょうか。そして、大きな差別化を図り、人々を魅了するのは、模倣によらない独自の発想、「独創」であります。この問題に真っ向から立ち向かえるのは、地域や地域の独自性と向き合い、磨き上げ発信してきた我々でしかありません。青年経済人だからこそ、青年らしい新鮮な感性と発想力で、この地域に住まう人々はもとより、他地域の人々をも斬新で心躍る、積極的思考を集約させたまちづくり運動を独創的に発信して参ります。


【 子ども達に今私たちができること 】
 今を生きる子ども達はやがて大人になり、このまちに残る者もいれば遠く巣立つ者もいます。けれど、どちらの心の中にも故郷である熊谷の情景をしっかりと刻み付けることによって、それがいつか実を結びこの熊谷の大きな力となって還ってくると信じています。まちの力とはすなわちひとの力。この熊谷に愛着と誇りを持った人が溢れれば、このまちは必ず今よりももっと力強く、前に進んで行くことができます。子ども達への運動は、未来への投資といっても過言ではありません。この熊谷には他に誇れる幾多の地域資産があります。そしてそれを懸命に守り磨き上げる社会関係資本団体の方々がいます。本年度の寺子屋事業は、未来の熊谷のビジョンを見据えたより大きな目的の下、我々が核となり社会関係資本団体の力を結集させ、独創的な方法を用いて子ども達の心に残していく、他地域をも魅了する「魅せる力」をもった現地体験型事業を提案し実施致します。また、熊谷の地域資産を子ども達に伝えてきた地域新聞は本年度で7年目となります。これまでに蓄積されてきた記事やノウハウ、そして検証材料をフィードバックして、より子ども達が熊谷を深く知ることができる内容へと進化させなければなりません。この熊谷の地域資産がどれだけ価値のあるものなのか。読んだ子ども達が熊谷を自慢できるような地域新聞を発行致します。


【 自然の魅力を熊谷の力へ! 】
 自然には人々に癒しや憩いを与える力と人を呼び定着させる力があります。そのことは市政調査においても市民がこのまちに住み続ける理由の一つとして挙げられています。ここ熊谷は、都心にも近く交通網の利便性がありながらも豊かな自然が人々と共生し、独自性に富んでおります。多くの可能性を持った熊谷の豊かな自然を、我々は多くの社会関係資本団体の方々と守り、磨き上げ、想いを共有して参りました。熊谷の豊かな自然の可能性を最大限引き立たせるべく、他地域に住む子育て世代が魅力的に感じる要素を基に、更に他地域からをも人を惹きつける程に磨き上げて参ります。更には熊谷の自然の魅力に魅せられ移り住むことを希望する人々のための受け皿を行政と連携を図りながら、「子育てしやすい熊谷の自然環境」をコンセプトに地域内外へ発信して参ります。


【 先人たちのまちへの想いを現代へ! 】
 県下唯一の戦災指定都市ここ熊谷は、このまちを復興させるべく、市民自らが立ち上がり行動し、手を取り合い創り上げたまちであり、戦後復興を経験した人々はそこにかけた想いをもとに、今もなお熊谷へ愛着を持ち続けております。そんな戦後復興にかけた想いを学び、次世代の子どもへ伝える運動展開をしてきた中で得たものは、現代人の地域への無関心と、自らが暮らすまちへの愛着心の低下、子を持つ親として地域への無関心、愛着心の低下を危惧しながらも、地域活動への参画の仕方がわからない現状であります。戦後復興から学んだ、先人たちのまちへの想いを現代へ継承するとともに、この地域に住まう我々の想いを表現し、他地域から訪れた人々をも魅了する、形に残す独創的な「まちを創る」事業を企画し、まちを創ることへの参画人口増加を目指すとともに、世代を繋ぐ子をもつ親世代に地域への愛着を持ってもらう運動を展開して参ります。


【 生み出せ経済活動! 】
 埼玉県北部を代表するこの熊谷市は近年まで暑さを中心に、地域内外に向け発信をしてきました。その暑さを逆手に取り2012年に始まったクールシェアくまがやの運動も今年で7年目を迎えます。この暑さを楽しみながら節電に取り組み、地域活性化を目指す様子が毎夏メディアに取り上げられることで熊谷の知名度も上昇して参りました。しかしながら、運動へ参画頂いている企業や諸団体、店舗への経済活動をまだまだ促せていないのが現状ではないでしょうか。熊谷市には年間400万人の観光客が訪れており、この恵まれた環境を活かすべく、観光客や他地域からの需要を改めて調査研究し、運動へ参画頂いている企業や諸団体、店舗へ我々から体験・交流内容を提案していくことで、交流人口増加、言わば経済活動を伴う交流人口の増加を目指します。更には個を強化するだけでなく、個を線で繋ぎ他地域の人々を更に惹きつける魅力的なルートを構築し、独創的に地域内外へ発信して参ります。


【 組織と個人の相乗効果 】
 青年会議所は「明るい豊かなまちの実現」に向けたまちづくりを通して、メンバー自身が成長を得られる組織でなければなりません。なぜならば青年経済人であるメンバーの成長は組織の成長となるとともに、地域の発展に繋がるからであります。青年会議所活動は、個人を高める学びの機会が数多に組み込まれています。しかしながら、その事を意識せず、ただの作業としてこなしているだけのメンバーも少なくないのではないでしょうか。多くの時間を使う青年会議所での活動を、これまで以上にメンバーの成長へと繋げるのは、青年会議所活動を通して得られる成長の機会を再認識、実感できる研修を構築して参ります。研修を通して、青年会議所活動とメンバーの成長の相乗効果をもたらし組織活性化を図ります。また、我々が目指すまち、「魅せる力」を持ったまちの創造に向けて、まずは、我々が「魅せる力」を得るための「魅せ方」研修を構築して参ります。研修を通して、これまで以上に発信力を高め、運動を更に大きなものとすべく組織の底上げをして参ります。そして、組織の下支えとなる総務運営に関しては、安定感があることを当然としながら、諸会議を有効にかつ、効率的なものとして参ります。


【 拡大を運動へ 】
 現在の会員数をみると、ここ数年で卒業するメンバーは全体の半数にもおよびます。これはメンバーの会費収入により運営をしている我々組織にとって、運営資金が単純に半減することを意味しており、公益法人格を維持できなくなる恐れがあります。つまり、運動発信以前の組織の存続維持に関わる問題であり、同時に青年会議所の運動に大きな影響を与えるものであります。そもそも会員拡大とは、この組織へ斬新で躍動感あふれる新たな力を迎え、個人が持つ豊かな知識と発想力を資本に、組織としてより一層進化し、活性化させていくことこそがその原点であると考えます。新しいメンバーが増えることで多種多様な意見を交わし、切磋琢磨しながら個を磨き上げていくことがこの組織の基盤であり、この組織の価値であるのです。であるならば、会員拡大は常にメンバー一人ひとりが共通の目的として認識しなければならない使命であり、各セクションの役割としての「活動」ではなく、個人個人の可能性を組織の力として結びつける「運動」へと進化していかなければなりません。これからも永続的で不変的な活動だからこそ、個の力を結集し、個の力の総和以上の力を発揮する「自発的組織」としての拡大運動に邁進いたします。


【 未来の為の新たな創造 】
 創立65周年を節目に、熊谷の地域資産が他地域からも魅力ある価値として評価される程の運動展開、他地域からをも人を惹き付ける「魅せる力」を持ち発信し、広く運動展開することを未来像として掲げました。「魅せる力」を持ったまちの創造へ向けて、ただ、地域資産を磨き上げるのではなく、他地域へより大きく発信するとともに、評価を頂くことで我々も常に運動を客観視しなければなりません。運動展開が本格的に始動する本年、未来に向けた大きな運動展開と中間地点を見据えて、広く運動を発信する機会と他地域からの評価を得る機会を模索、確立して参ります。


【 結びに 】
 「独創」とは、模倣によらない、独自の発想でつくりだすこと。発想力は、個人が得てきた情報や体験してきた中から生まれるものであり、生き方そのものであります。だからこそ、独自性のある発想力を持つメンバーが集うこの組織は独創性に満ち溢れているはずなのです。そして、今、我々が暮らすこの熊谷の独自性は、先人たち一人ひとりの想いを紡いだ歴史で織り成されています。美しく誇り高き歴史に敬意と感謝を込め、今を生きてきた我々の生き方そのものを積極的思考でぶつけ合い、未来のための歴史を紡ぐべく、我々が今できること、今やらなくてはいけないこと、今しかできないことを大いに楽しみましょう!

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